2―5.テクノロジーの源
人類が宇宙へ歩み出したのは、表の歴史では1950年代に入ってからと言われていますが、ナチスのUFOを調べていくと、それから30年近く前の1930年代後半となります。
確かにナチスドイツは、当時にしては科学の最先端を行く様々な優れたものを開発してきました。V2ロケットと言われる大陸間弾道弾の元型、またジェット戦闘機、潜水艦ではUボートもあり、タイガー式戦車は当時、無敵を誇っていました。そしてここでUFOという、また突飛も無いテクノロジーの話が出て来たのですが、この科学技術の源はいったい、どこにあったのでしょうか。
実はこのあたりの話をまとめてみようと思いましたが、このあたりの情報は錯綜しているというのが現状の様です。この様な状況ですが、この錯綜した情報の中で、ドイツ人のヤン・ファンヘルシンクという人物によって紹介された概要について、紹介したいと思います。
◆ナチスが崇拝したアルデバラン星人
ドイツの研究家、ヤン・ファンヘルシンクは、その著書「20世紀の秘密結社」の中で、「ヴリルとトゥーレの両秘密結社は、1919年12月、ベルヒテスガーデン・ロッジで、マリア・オルシックとシグルンという二人の霊媒を通じて、異星人との交流を試みていた」と述べています。ヴリル協会関連の資料によると、それらの通信は、地球から68光年の距離にある、牡牛座のアルデバラン太陽系の二つの惑星からなる「スメーラン」帝国との間で行われたという事でした。
アルデバランの人々は、明確に二つのタイプに分けられていると言われ、一つは「光の神」と呼ばれる金髪碧眼のアーリア支配層であり、もう一つは気候変動により遺伝的に劣化した幾種類かの亜人類だと言うのです。
5億年以上もの昔、アルデバラン大洋は膨張とともに、凄まじい熱量を放射しはじめ、そのために「劣等な種族」は居住可能な他の惑星へと非難させられたと言います。そしてついに「光の神」ア―リア人種も母星から撤退を余儀なくされました。この様な経緯で我々の太陽系にやってきた彼らは、まず最初に「惑星マローナ」を占領しました。
この「惑星マローナ」ですが、火星と木星の間、現在はアステロイドベルト(小惑星帯)の軌道にあったされており、古代シュメール人の言う「惑星ティアマト」相当していると言います。その後、金髪碧眼のアルデバラン星人は火星に植民し、続いて地球へと下りて来てシュメール文明を打ち立てました。これがヴリル協会の信じていた内容だと言うのです。
ヴリル協会のチャネラー(霊媒師)達によると、シュメール語とはアルデバラン語であり、その昔は「不可解なドイツ語」のようであると言い、ドイツ語とシュメール語(アルテバラン語)は波長が同じであると信じていました。そして彼らは金髪碧眼のマスター・レイズ(支配層)が火星から地球にやってきて、古代伝説の神々(Gods)となったと考えていました。彼ら支配層の種族は、シュメール文明の発祥にインスピレーションを与え、この地球に純粋な血流を植え付け、以来、この神々は地下都市から地上の人類をコントロールしていたと言うのです。
◆ナチスが追い求めたシャンバラ伝説
ここでヴリル協会の2人の霊媒師がアルデバラン星人とチャネリングによりコンタクトを取っていたと言い、それは68光年かなたの惑星だという話になっていましたが、実はこのチャネリングで交信を取っていたのは「地下都市」に居たという事を考えていたのではないでしょうか。
ヴリル協会のメンバーで地政学者であったカール・ハウスホーファーは、ナチスにおいてアドルフ・ヒトラーの政治顧問を務めていましたが、この時のナチスは地底世界シャンバラの出入り口を探索すべく、チベットに親衛隊SSのメンバーを派遣していました。
1997年にアメリカで公開された映画「セブン・イヤーズ・イン・チベット」は、オーストリアの登山家、ハインリヒ・ハラーの自伝と言われていますが、彼もナチ党員であり親衛隊SS所属の曹長であった事が判っています。おそらく彼がチベットへ行き、ダライ・ラマ14世と交流を持った背景には、こういったナチスの思惑も関係していた可能性も充分に考えられます。
ナチスがシャンバラの探索に成功したのか、失敗したのか、明確にそれらを示す証拠はありません。しかしもしかしたら、これは一つの仮説となりますが、ナチスの高度な技術力の源には、そういった古代神話に基づく話の上にある、ここでは神々(Gods)と言われる異星人の協力があったという可能性も十分にありうる話であるという事です。